Introduction

イントロダクション

小売業界はいつの時代も激戦だ。

ここ数年だけでも、数えきれないほどのブランドが生まれ、
数えきれないほどのブランドが消えていった。
ときには景気に左右されて、
ときには流行に左右されて。

しかし、わたしたちは断言しよう。

敵が多いから、この仕事は面白い。
とてつもないスピードで流行が移り変わっていくから、この仕事は面白い。
攻め続ける者のみが、この熾烈な闘いに生き残ることができるのだ。

次代を創る若きリーダーを見つけ、育てたい。
共にビジョンを描き出し、共に実現したい。
そう、未来はやってくるものではなく、創るもの。

能力ある理系人材達よ、さあ、次なる挑戦をわたしたちと共に。

自分の力を活かしながら、情熱を傾けて挑戦できる仕事を本気で求める理系の方のために作りました。
このページに来てくれたのも何かのご縁です。
どうぞ最後まで読んでみてください。きっと西松屋を好きになってくれることと思います。

採用チーム一同

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Theme 01

なぜ、理系なのか?

理系が求められる理由

「売る」ではなく「売れる」しくみをつくることが
四半世紀以上続く増収を導いた。

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個人の販売努力や営業力、思い付きや従来の商慣習だけでは安定した成果を出せない。当社では店舗づくりや商品づくり、店舗での作業体系に至るまであらゆる工程を分析し、成功と失敗の原因をそれぞれ追究してきた。事象の数値化による問題点の特定、その解決に向けた仮説と実験、結果検証の繰り返し。これによって成功に繋がる要素の因果関係を明らかにでき、そのベストな組み合わせである独自のセオリーを確立できた。この一連のプロセスを当社では「観察・分析・判断」と呼ぶが、繁盛させない店舗づくり、プライベートブランド商品による価格破壊、少人数での店舗運営といった独自政策は、理系人材ゆえに生み出せたビジネスモデルと言える。

理系が求められる理由

データ分析にもとづく仕入れと発注が
国内トップの売上を支えている。

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全国の1,000を超える店舗から、毎日の販売データが本部へと送られてくる。当社ではこの蓄積されたデータから、売れた地域や売れた時期、売れた商品の色や柄、素材といった情報を商品ごとに分析している。その結果を商品の仕入れや各店舗への商品の納期コントロールにも活用することで、過剰在庫や過少在庫といった販売機会の損失をなくすことができ、需要が高い商品の安定供給を実現できた。またデータをもとに本部で一斉発注するので、店舗での在庫管理や商品発注といった業務を削減でき、店舗作業のコストカットにも繋がっている。年度ごとの流行や担当者のセンスではなく、データ検証と数値的根拠が国内トップの子供服売上高を支えている。

理系が求められる理由

他社には真似できない圧倒的な安さで人気のPB商品は、理系人材によって開発された。

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子供服や育児用品と聞くとかわいらしいデザインというイメージが先行するが、お客様のニーズがそれだけとは限らない。妊娠から出産後1年間の子育てに必要とされる費用はおよそ100万円と言われている。大人のアイテムと異なり、使用する期間が短く買い替えの頻度が高いのも特徴だ。

当社のプライベートブランド商品は育児の経済的な負担を減らしつつ、高い安全性と使いやすさを両立させることがコンセプト。一般的な商品開発といえば分業制が一般的だが、西松屋チェーンでは1人の開発担当者が1つの商品の全工程を担っている。コストカットの為に部品一つの製造方法から見直すことや、安全性の耐久テストをクリアできるよう作り直すこともある。そうした際、やはり専門的な知識は欠かせない。必要不可欠な機能と必要充分な品質に絞り込むことで価格を抑え込みながらも、従来の製品にはなかった新しい安全機能が付け加えられた商品を生み出しているのは、すべて理系出身者だ。当社では大手電機メーカーOBの開発者も数多く在籍しており、彼らのものづくりにおけるノウハウを身近で学べる環境も整っている。

理系が求められる理由

製造小売業だからこそ「総合職」+「理系力」

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店舗運営はじめさまざまな部署を経験することで「総合職」として活躍できるのはもちろんのこと、その中で経営戦略の柱である自社商品開発や業務システム・商品システム開発、また、IT推進部などの理系職も用意されている。当社のジョブローテーション制度は、10年、15年後には広い視野を持った「社会人」としてキャリアを築くことができる。

理系が求められる理由

完成度の高い作業システムがあれば、パート従業員たった2人で店舗を運営できる。

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西松屋チェーンの店内には、従業員がほとんどいない。レジ担当者1人と売場の担当者1人、合わせて2人いれば充分だからだ。この最少人数で「充分」だと言えるのは、店舗作業が徹底的に「標準化」され「簡素化」されているからにほかならない。

まず、すべての作業に関して「マニュアル」が定められている。マニュアルとは、誰もが(たとえ今日入社したばかりの人でも)最も簡単に、最短の時間で最高の結果を出せる手順書である。マニュアルで定められている道具や設備、手順、動作が高い水準であればあるほど、作業者の負担や作業時間を減少させることができる。当社では「業務システム改革部」が中心となってマニュアル改善や新しい設備の導入、システム開発を推進しており、店舗作業や店長業務を劇的に削減している。

例えば、従業員へ毎日の作業を割り当てるシステムやシフトを作成するシステムは、労働条件や店舗作業など社内の独自データと連動させた方が使いやすい。しかし、市販の既成ソフトではそうした連携が取れないので、西松屋チェーン独自のシステムを開発して全国の店舗に導入した。従来、各店長が時間をかけてExcelや電卓を使って行っていた作業が、たった5分で処理できるようになった。物流に関する分野でも、コンテナの中に混載する商品群を精査することで、輸送コストの削減と店舗での仕分け作業削減が両立できるようになった。商品の陳列ひとつ取っても、顧客の動線と従業員の動作チェックを怠らず、売上の向上に寄与しつつ陳列の負担が減る位置や高さ、角度といったものを定量的に分析している。文系出身者にもできないことはないが、こうした着眼点や問題解決へのアプローチという面では理系出身者ほど適した人材はいないだろう。

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Theme 02

理系的思考プロセスが求められる仕事とは?

男児アウター商品部 マーチャンダイザー Merchandiser

男児アウター商品部 マーチャンダイザー

当社のマーチャンダイザーは、一般的なマーチャンダイザーと比べて業務範囲が広いところに仕事の面白さがあります。市場のマーケティング、商品仕様の決定、価格の設定、取引先とのコスト交渉はもちろん、売場でのプロデュース方法、CM・チラシ等の販促計画の立案など、仕事の幅は多岐にわたります。こうした幅広い仕事を行う中でとても重要なのは、
①広い視野で計画を立案すること
②いろいろな人にわかりやすく説明すること
③結果を数値的根拠をもとに観察・分析し、改善していくこと
こういった思考プロセスはまさしく、理系の学生さんが日々の研究や発表で磨いているスキルであり、当社の商品開発という仕事で存分に発揮できる領域だと考えています。

店舗運営本部 業務システム改革部 Business System

店舗運営本部 業務システム改革部

私たちの部門のミッションは「店舗で行っている業務効率の改善」と「新システム導入による利益の向上」です。このどちらにも共通していることは、PDCAサイクルです。具体的には、P:課題の原因分析と対策の考案、D:小規模の店舗で実験検証、C:数値の確認、店長および店舗へのヒアリング調査、A:調査結果をもとに改善および実施店舗の拡大を行っています。これらは、学生時代に有機合成化学の研究をしていた経験が活きています。決めたテーマを実現させるために準備を整えてから繰り返し実験を行う点が共通しているからです。試行錯誤が絶えない日々ですが、諦めずに続ける忍耐力も研究開発で培われたスキルだと感じています。

物流システム改革課 Logistics System

物流システム改革課

物流システム改革課は物流システムの合理化による物流コストの削減、物流関連業務における改善を行なっています。過去の出荷物量をデータ蓄積していき、そのデータを基に検討・検証を繰り返し、効率の良い配送スキームの構築を行ないます。その際には、科学実験に似た仮説と検証・分析といったアプローチが重要です。また、データ蓄積等のルーティン業務の改善として、現状の作業方法を順序立てた上で不要な手順がないか、必要な情報を簡潔に処理できないか追求し、数値・数量・時間から定量的に判断できる業務改善を行なっています。

IT推進部 システム・ITインフラ構築運用課 Infrastructure

IT推進部 システム・ITインフラ構築運用課

IT推進部 システム・ITインフラ構築運用課に所属し、主に社内システムの改善と管理を担当しています。具体的には、各部署からシステムに対する要望や困り事についてヒアリングし、開発ベンダーと共に問題点がどこにあるのかを観察・分析し、最適な改善策を導き出します。そして、開発ベンダーへシステム改修依頼を行い、プロジェクトリーダーとしてスケジュール管理を行い、設計/テスト/切替という工程を通して、利用者へ新しいシステムを提供しています。初めて扱うシステムの改修を担当することもあり苦労も多々ありますが、システムが改善されたことで業務効率や業績が良くなった事を最後に実感でき、とてもやりがいのある仕事です。

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Theme 03

理系先輩社員が西松屋を選んだ理由とは?

肌着商品部 バイヤー
化学専攻

肌着商品部
バイヤー

西松屋を選んだ理由

大学時代の研究テーマは光触媒の有機合成。
研究を商品開発に活かしたい。

大学では化学を専攻していたので、何かを作るという仕事がしたいと漠然と考えていました。メーカーを中心に就職活動をしていましたが、「ベビーバギーを独自で開発している」という西松屋の紹介ページを読んで興味を持ちました。どうやったら、安くても、安全で安心して使用してもらえるかを追求している点が、自身の研究課題に似ていると感じました。私の研究テーマが光触媒の有機合成であったので、どのように合成すれば目的の化合物が得られるかを考え、実験し、失敗して、また考えるという日々を過ごしていました。そういった経験が、当社の商品開発でも活かせるのではないか、私自身もチャレンジしたいと考え、志望しました。

実際働いてみてどうですか?

化学専攻の知見を活かして吸湿発熱肌着を開発。
価格を75%に抑え、多くのお客様に!

肌着商品部でベビー肌着(80cm~95cm)の担当バイヤーをしています。どのような商品にすればお客様に喜んでいただけるかを考え、商品化し、それがたくさんお客様に選んでいただいた時は、非常にうれしく思います。この冬、化学専攻で得た知識を活かして、安価な新規吸湿発熱肌着の開発をすることができました。前年のものよりも、価格を約75%に抑えることができました。それでいて温かく、綿100%で赤ちゃんの肌に優しい商品です。その開発した商品が今年から売場に並びましたが、前年の商品よりも多くのお客様が手に取ってくださいました。まだまだ開発したい肌着があるので、毎日意欲的に仕事ができています。

アウターDB課 ディストリビューター
統計学専攻

アウターDB課
ディストリビューター

西松屋を選んだ理由

商品開発から販売まですべて自社で行う西松屋なら、
自分の学んだ統計学を活かした仕事ができると期待!

大学で統計学を学んでいました。就職活動の際、西松屋ならばマーチャンダイザー・バイヤー・ディストリビューターなど様々な職務があり、自身の学んだことが活かせる部署が多くあるのではないかと考え、興味を持つようになりました。具体的には、統計学を用いて分析を行うことで、マーチャンダイザーであれば“商品開発に役立てる”、バイヤーであれば“ヒット商品を仕入れる”などで役立てることができると考えていました。西松屋は製造小売業であり、商品の開発~販売まですべて自社で行います。メーカーとは異なり販売店を持っている点も、購買データの取得がしやすいという点でプラスに捉えていました。

実際働いてみてどうですか?

購買データを分析し、販売数を増やすディストリビューターに。
自分の仕事が業績に直結する仕事にやりがいを感じる。

現在私はディストリビューターとして、担当商品の販売数を増やすために在庫のコントロールをしています。在庫のコントロールによって商品の販売数を増やす方法を知る為に、購買データを用いて分析することは必須です。ただしその分析も学生の頃とは異なり、分析の成功可否が販売数の増減および会社からの評価に直結しています。数字に責任を持つ仕事ですから、やりがいをもって仕事に取り組めています。現在の目標としては、気温やその他の外部要因も加味し、より適切な在庫のコントロール方法を構築していくことを考えています。難しい案件ではありますが、少しずつ問題解決をしていけたらと考えています。

理学専攻
理学専攻

予算部

西松屋を選んだ理由

PB商品開発の理念に惹かれ、
育児雑貨商品開発に携わりたい。

きっかけは、おもちゃを作る仕事をしてみませんかという案内からでした。企業研究を進めていくと、弊社のPB商品開発の方針である「安全面には妥協せずに必要な機能だけに絞り込み、トレードオフにより低価格を実現する」といった理念に惹かれました。そのためには観察・分析・判断を繰り返し実施するといった、「観察→仮説→実験→検証」という理系では聞き慣れた手順を踏み商品開発を行っていることもあり、自らの経験を活かし育児雑貨商品の開発を行ってみたいと考えたことが決め手です。

実際働いてみてどうですか?

様々な部署を経験。自分の考えに基づいた
仮説・検証ができる仕事にやりがいを感じる。

入社から現在の部署まで店長・DB部・商品監査部・予算部と様々な部署を経験し、それぞれにやりがいを感じており一部をご紹介します。DB部では店舗ごとの在庫適正化=需要に応じた在庫納品という大きな目標に向け、自らが売数など過去の膨大なデータを観察し需要予測の仮説を立て、実際に納品を行い結果を検証し改善していく点。予算部では過去実績などのデータや市場動向をもとに予算方針を打ち立て作成し、作成した予算を振り返り検証し、次回作成に生かしていく点。上記のように、自分の考えを反映した仮説をたて、実験し、検証を行っていくことのできる環境にやりがいを感じています。

IT推進部 店舗IT構築運用・IT業務課
工学専攻

IT推進部
店舗IT構築運用・IT業務課

西松屋を選んだ理由

ベビー・子供用品トップシェアでありながらも、成長の余地が多分にあることに興味を持った。

就職活動時は、もともと車が好きで自動車業界を中心に活動をしていましたが、多岐の業界に目を向けようと思い、合同企業説明会に参加し、数多の企業説明を受けました。その中で、弊社西松屋チェーンについてベビー・子供用品の業界トップシェアであること、トップシェアといえど業界全体のシェア率でみるとまだまだ成長できると聞き興味を持ちました。また、商品開発やIT活用にも力を入れており理系の方々が多く活躍していると聞き、自分の能力が発揮できると思いました。採用面接の際もこちらの話を親身に聞いてくれたり、踏み込んだ内容の質問にも真摯に答えてくれるなど企業としての親しみやすさを感じました。

実際働いてみてどうですか?

4店舗掛け持ちの店長時代は貴重な経験。現在は現場を知り尽くしたIT推進部として利便性向上、作業効率化に寄与。

まず、入社して1年ほどで店長という職務を経験できます。多数の人間を取りまとめて目標達成に取り組むということはなかなか経験できないことであり、実際に店長以外の仕事に移ってからも良い経験だったと感じられます。5年ほど店長を経験し、4店舗を掛け持ちました。店舗を運営していく中でマネジメント能力やコミュニケーション能力について同年代の中ではだれにも負けない能力が身に付きました。現在はIT推進部として新店へのIT機器の手配や全店へのタブレットの配備、タブレットを統括して遠隔管理するためのシステムの運用に携わっております。店舗に新たなIT機器を導入すること、導入後もシステムを駆使して店舗をサポートするなど、店舗の利便性の向上や作業効率化にIT機器を通して直接大きく貢献できていると感じます。

インターネット販売課
バイオサイエンス専攻

インターネット販売課

西松屋を選んだ理由

1年目から店長を経験、ジョブローテーションにより
多彩な仕事を経験できるところが決め手。

最初は、大学で学んだ経験を活かした仕事がしたいと考え、食品メーカーや化粧品業界を志望していましたが、その一方で、早期から責任感のある仕事がしたい、様々な仕事を経験し、スキルアップしたいとも考えていました。西松屋では、理系的思考が業務に活かせること、1年目から店長を任せてもらえ、ジョブローテーションによる様々な仕事が経験でき成長できる環境であることが、就活中の私に適している感じ志望しました。

実際働いてみてどうですか?

若手から様々な業務を経験、
理系的思考を活かせる職場環境でやりがいを実感

入社後、店長、新入社員研修タスク、DB、商品監査部、インターネット販売部と若手のうちから幅広い業務を経験しました。現在のインターネット販売部では、オンラインストアの掲載商品拡大と在庫管理を行っています。これまでのキャリアを活かして実店舗の販売実績やオンラインストアの販売傾向、時期需要、季節商品の投入など、分析と実験を繰り返しながら業務を進め、オンラインストアの拡大に携われることにやりがいを感じています。

アウターDB課 ディストリビューター
システムデザイン専攻

アウターDB課
ディストリビューター

西松屋を選んだ理由

社会貢献と成長機会求め西松屋を選択。
お客様目線の商品開発も魅力。

大学院で「ロボットセラピー」の研究を通じて心のケアに興味を持ち、ベビー向けのケアに関心が広がりました。そういった思いから就職活動を始め、販売から商品開発まで行う西松屋に出会いました。西松屋を選んだ理由は、「使う立場」を重視した商品開発方針に共感したからです。「お子様持ちの家庭の暮らしを楽しく豊かにする」という理念に魅力を感じ、社会貢献できる環境だと確信しました。また、高機能・高品質の足し算ではなく、引き算で本質を残す商品開発アプローチに共鳴しました。さらに、入社1年目から店長を任される点に魅力を感じ、早期に成長し、リーダーシップを発揮できる機会を得られると思い志望しました。

実際働いてみてどうですか?

理系的なアプローチで仮説検証を繰り返し、売上向上に貢献。
自由な裁量で成長を実感。

入社1年目から店長を経験し、その後最大4店舗を掛け持ち、現在は本社のディストリビューター部門で商品分配を担当しています。店長としては、リーダーシップやマネジメント、問題解決能力を早期に習得し、現在は売上向上に向けて不振商品の分析、仮説立案、実験、効果検証を繰り返しています。また、季節商品については前年実績を基に販売予測を立て、予測が外れた場合は在庫移動で調整を行い売上確保に努めています。理系的アプローチを活かし、自由に裁量を与えられる環境で、目標達成に向けた仮説を立て、実行し、効果を検証することにやりがいを感じています。

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Theme 04

理系先輩社員が生み出したヒット商品

くみあわせマット
CASE .01

くみあわせマット

市場での圧倒的不利な状況から
年間210万個以上を販売するメガヒットへ。
理系先輩社員達は何に挑んだか?

開発の背景

開発担当者が手を付けた当初は他社に比べて取扱量が少なく、およそ800円という価格面でも圧倒的に不利な状態だった。製造を委託する工場探しから始め、はじめは2社と契約していたが、後に4社へ。製造地域も分散させることで、安定供給を図れる体制が整った。こうして従来よりかなり安い469円で販売開始。しかし、価格面以外でも差別化を図る必要が出てきた。

何に挑んだか

差別化の重点ポイントとして、耐久性の改善に取り組んだ。これまでは他社製品も含め購入から半年も経たないうちにマットがへたれる、噛み合わせ部分が変形し追加購入したものとセットできない、というものだった。担当者はメーカーに任せっきりだった品質の基準や成分の調整にも着手。マットに混ぜる炭酸マグネシウムなど添加物の量などを調整した。その結果、一年使ってもへこまないマットを開発できた。また、柄やサイズなどでバリエーションを持たせ、シリーズ化するのが一般的な商品だが、それまではシリーズ内で互換性を持たせていなかった。製造工場によって作成したマットの組み合わせ部分が違うというトラブルが発生した際に、この点にも注目。以降、全商品が互いに組み合わせて使える仕様に変更した。

どんな結果をもたらしたか

現在では互換性があることは一般的だが、当時はどこの製品でもそうした互換性は与えられておらず、当社のくみあわせマットがその先駆けとなった事例だった。現在は更に安い税抜380円で販売中。お客様からの絶大な支持に支えられ、主力商品単品で年間54万個以上、シリーズ全体では年間210万個以上を販売する人気商品となっている。

ベビーバギー
CASE .02

ベビーバギー

シリーズ累計40万台以上の販売実績を誇るベビーバギー。
その背景にあったのは試行錯誤の連続とやり抜く気概。
開発の舞台裏に迫る。

開発の背景

ベビーバギー開発に取り組んだのは2009年のこと。当時、試作品をつくる段階で、部品一つの値段が2,000円程度かかっていた。「これでは売れない」誰もが思っていた。安全で、しかもお手頃な価格でお客様にご満足いただけるベビーバギーが作れないものか。手探り状態で先が全く見えないなか、開発者の挑戦は始まった。

何に挑んだか

まず取り掛かったのは製品そのものを0から見直すこと。不要な機能をどんどん省いていった。なくすと言えば容易に感じられるが、必要な機能をなくすと安物はやっぱりダメだと敬遠される。他社製品との差別化を図る為に新しい機能をプラスするメーカーの商品開発とは異なり、省く方がよっぽど難しいのだ。

だが、なくすだけではプライベートブランドとしての魅力を加えられない。価格を抑え込みながら、大事な機能はアップデートさせていった。日差しから赤ちゃんを守る大き目の幌、安定した走行を支える大きな車輪。そして最大の特徴である「指を挟みにくいフレーム」だ。この商品の開発途中、他社製品で折り畳むフレームの隙間に赤ちゃんの指が挟まれるという事故が発生した。何としても安全第一を優先させたい気持ちから、このフレームの開発に至ったのである。開発担当者は金型を起こすところから手掛け、部品在庫や物流、梱包に至るまでをトータルでコントロールすることで、3,000円未満という価格を実現させた。ただ安いだけでなく、安全で使いやすい商品。お客様が望んでいるものは何か、を徹底的に見つめ、製品という形でアウトプットする。商品ひとつの背後には、到底考えられないような取り組みが100も200も隠れているのだ。

どんな結果をもたらしたか

当社独自の安全機構を導入しながらも、3,000円未満という驚異的な安さを実現。シリーズ累計40万台以上の販売実績を誇る大ヒット商品となった。

ストレッチパンツ
CASE .03

ストレッチパンツ

まだ出来る事はないか?
大ヒットに満足せず、
徹底的に追求する姿勢が生み出したものとは?

プロジェクトの背景

ストレッチパンツはベーシックなデザインながら、当社には珍しい豊富なカラーを展開。さらに、シーズンごとトレンドを採り入れ、微妙に色味を変化させたり新色を追加したりしている。お手頃価格、安心できる股上の深さだけでなく、オシャレさも兼ね備えていることで爆発的ヒットを記録。中でもデニムカラーは、ストレッチパンツ全体の売上の3分の1を占めるほどの大人気。通常、当社の衣類は1週間で5,000~6,000枚売れればいわゆる「売れ筋」であるが、なんとデニムカラーのみで3万枚を売り上げたことも。これだけ人気があればほとんど手放しで喜べそうなものだが、まだほかに出来ることがないか開発担当者は突き詰める。

何に挑み、どんな結果をもたらしたか

例えば生産コストの圧縮だ。一度の受注数が多ければ多いほど1点当たりの縫製コストをダウンさせることが可能だ。人気商品だからこそ、より多くの受注が可能な大規模工場を探し、今以上に価格を下げられないか工夫することが必要である。これまでデニムカラーだけは通常のカラーと比べて価格が高かった。しかし、こうした生産コストの削減や仕様面での見直しによって不要な部分をカットした結果、全色同一価格を実現することができた。また、売場での陳列のしやすさを考慮しハンガーの挟み方を改善。パート従業員の作業負担が少しでも減るように、商品そのものだけでなく付属品の構造にも気を配っている。店舗運営の場だけでなく商品開発の場においても、お客様や従業員の声を取りこぼさないよう最大限の気配りをしている証拠だ。

抱っこ紐「ダッコール」
CASE .04

抱っこ紐「ダッコール」

抱っこ紐の事故をなくしたい。
その想いがオリジナル商品を遂に完成させた。
特許出願にまで至った落下防止の工夫とは?

開発の背景

東京都商品安全対策協議会によると、抱っこ紐の事故は5年間で117件発生。そのうち25%が重症事例であり、いずれも落下等によって頭部を怪我している。これらの不運な事故を防ぐことはできないかという思いから、オリジナル商品の開発に取り掛かった。

何に挑んだか

安全対策はもちろんのことだが、もっと手頃な価格で販売することも急務だった。世界中で大人気の、とある抱っこ紐は主力商品の相場が2~3万円。何度も試作を繰り返し、ついに「業界初」となる「赤ちゃん用肩ベルト」が装着された商品が出来上がった。抱っこ紐の内部で赤ちゃんをしっかりとホールドすることで、万が一の際でも絶対に落下しない構造だ。この赤ちゃん用肩ベルトには「守りまショルダー」という名前が与えられ、現在特許出願中だ。子育ては大変だ。ついうっかり誤った使い方をしてしまうこともあれば、予想外のことが発生することもある。しかし、どんなことがあっても安心して使える商品があれば問題ないのだ。世の中には4通りや5通りの抱き方ができる、と謳った抱っこ紐もあるが、抱っことおんぶ、横抱き以外の抱き方をすることはほとんどない。だからダッコールはシンプルな3way仕様にした。

どんな結果をもたらしたか

安全性能を高めながら余計な機能をカットし、8,000円台での販売を実現。いまやシリーズ累計30,000点もの販売を記録するヒット商品となった。

紙おむつ
CASE .05

紙おむつ

発売から1年で70万個を販売!
感想を聞くことができない赤ちゃんのために
挑み続ける開発者。

開発の背景

紙おむつのPB化は西松屋の長年の目標であった。しかし紙おむつは品質確保と低価格の両立が難しい商品。いかにしてその両立を図るか。その課題を解決できる工場を見付けるところから開発プロジェクトはスタートした。

何に挑んだか

工場を見つけるために要したのは、なんと4~5年。そこから幾度の試売を経て、あの手この手を使ってお客様の反応を調べ、改善に役立ててきた。現代ではTwitterやInstagramといったSNSが普及しており、これまでよりも親御さんの本音を窺い知ることができる。そうした中で気付いたのは、やはりこちらが力を入れて作り出したものでも、実際のユーザーからの反応はイマイチだということもあるということ。子供用品はどれもそうだが、紙おむつは特に赤ちゃんが身につけるものゆえに、赤ちゃんの感想を聞くことができない。直接聞ける親御さんの意見や感想と、声では聞けない赤ちゃんの感想(使い心地)どちらを優先させるか苦労した。

例えば、当社の製品はメーカー製品と比較して、吸水材の面積と体積を大きくしており、腰の方までしっかりカバーしている。だが、その分ウエストのゴムは少なくなり、ある程度の重さになると、下にずり落ちてしまう。吸水材の量が少ない分、ウエストのゴム面積が多いメーカー製品では漏れてしまうこともあるが、ずり落ちることがない。この辺りのバランス調整が非常に難しい。また、肌触りを良くする為に通気孔のついた素材にしているが、メーカー製品より製造コストが高くつく。価格には材料構成、コスト配分が最も大きく影響する。だから、今すでにメーカー製品よりも安いが、まだ安くできる余地はあると考え、更なる改善に挑んでいる。

どんな結果をもたらしたか

2019年12月から全店展開したL、ビッグの2サイズで累計販売個数は約70万個以上。2020年12月からは他社にはないサイズ「ゆったりビッグ」も新たに販売開始。すでに週販約4,000個を記録している。

今後の取り組みについて

将来的にはどんな子供の体型にでもフィットするおむつを作りたい。海外に比べ、日本の子供たちは体型に個人差がある。どんな子供にもフィットするというのは非常に難しいが、それができれば親御さんが4種類も5種類も市販品を買って試しているのを改善できる。それだけではない。やはり、かぶれにくいとか、肌触りが良いとか、そういった赤ちゃんにしか分からない部分、声は直接聞けないが、親御さんの為だけでなく「実際に身につける赤ちゃん自身」の為に工夫して商品を改良していきたいと開発者は語る。

チャイルドシート「ターンレジェ FIX-ST」
CASE .06

チャイルドシート「ターンレジェ FIX-ST」

企画から3年、遂に発売した
西松屋史上初のPBチャイルドシート。
その誕生秘話に迫る。

開発の背景

子育て世帯にチャイルドシートは必須のアイテムだ。チャイルドシートのPB開発に成功すれば、大きな収益につながることは簡単に予測できた。しかし西松屋にとってチャイルドシートの開発は初めての取り組み。そう簡単に事は進まない。しかも中途半端なモノを世の中に送り出すわけにもいかない。担当者は開発にあたり、以下の点にこだわり開発することにした。

・市場で人気が高まりつつある回転式にすること。
・メーカー製品の価格相場は3万円~だが、絶対に3万円未満にする。
・既存の製品は重量15kg前後が一般的だが、10kg未満の軽さにする。
・ISO-FIX方式とシートベルト方式の両方に対応させる。

何に挑んだか

回転式チャイルドシートは便利ではあるが、その構造から部品数が多く重量もかさばり、高額商品であった。3万円アンダーで10kgを下回るターンレジェが発売されるまで、企画から約3年かかっていることが、その実現の難しさを物語っている。そもそも価格を抑える為、あるいは軽量化を図る為には、金属の使用量を減らし樹脂の使用量をアップさせる必要がある。部品数も減らし、材料も少なくしなければならない。しかし、子供たちの命を守るチャイルドシートであるがゆえに非常に難しいミッションでもあった。衝突実験を繰り返す中で、金型から作り直すという大幅な仕様変更を2度も行っている。製品そのものの構造を変更して強度を維持させるなど、素材を変えても絶対に安全性が下がらないよう試行錯誤を繰り返した。だが、この挑戦の中でむしろ改善できたこともある。製品そのものをコンパクトにすることでコストを圧縮しようとしたが、シート部分を縮小させては安全性能が低下する。そこで台座部分の高さを抑えたところ低重心化に成功し、横揺れを低減させることができた。また、ISO-FIXとシートベルト双方に対応していることが特徴だが、これも開発過程においては非常に大きな壁となった。ISO-FIX方式とシートベルト方式それぞれの試験をクリアしなければ販売できないからである。だが、両方に対応していれば車を買い替えるとき、あるいは家庭内で車から車に乗せ換えるときに、車種によって取付けを制限されることがない。1台の製品でどんな車にも使える便利さを実現させる為、こうした手間暇を惜しみなくつぎ込んで完成させたのである。

どんな結果をもたらしたか

2020年3~11月においては、当社商品に価格が最も近い有名メーカー製回転型チャイルドシートの約2倍の数量が販売された。

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子どもたちの夢を育み
家族みんなの楽しく豊かな暮らしを支えたい

理系の皆さんのご応募を心からお待ちしております。
是非、西松屋の会社説明動画をご覧ください。

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